小説の表紙を作るのに困ったことはありませんか?
装丁デザインをデザイナーやイラストレーターに依頼する手もありますが、それができない場合も多々有ります。
・締め切りまでの時間が無いのでデザイナーに依頼できない
・同人誌の発行にそこまでの予算を用意できない
・PixivなどのWeb掲載用なのでもっと気軽に用意したい
……などなど、様々なケースがあると思います。
表紙作りは一見難しそうですが、実は「それっぽくする」だけなら誰でも無料でできます。今回は無料で小説本の表紙を作るために必要な「素材」の用意について解説していきます。
タイトルに使えそうなフリーフォント
まず第一の壁となるのが、フォントの調達です。
パソコンに元々入っている「游明朝」「MS ゴシック」などのスタンダードなフォントでももちろん大丈夫ですが、もう少し凝るならデザインフォントを用意したいところ。
ここではタイトルに使えそうなフリーフォントを紹介していきます。
ラノベPOP V2
FLOP DESIGN様が制作した、ラノベタイトル風のフォント。
ポップで可愛い書体。「ラノベ」とタイトルに入っているだけに、これで文字を入れるだけでとりあえず「それっぽく」なる良質なフォントです。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記については「ご利用の際は次のクレジットを入れていただけると、ものすご〜く喜びます!」とのことです。
ステッキ
フォントワークス様が制作した、どこかやんちゃな雰囲気のデザインフォント。「ステッキ」という名前の通り、直線で構成された可愛らしいフォントです。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記:不要(SILオープンフォントライセンス)
プイッコ
あらたかな様が制作したフリーフォント。太めで丸々としたデザインで印象に残りやすく、タイトル・ロゴデザインに適しています。またどんな文面でもバランスが取りやすいため、「とりあえず文字を並べた」状態でも見た目が綺麗です。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記:不要
廻想体
もじワク研究様が制作した幻想的なデザインフォント。直線を活かしたデザインが特徴的で、様々な雰囲気に合います。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記:不要
商用利用可能な写真素材サイト
フリーのフォントを揃えたら、次は背景となる写真探しです。
写真を自分で用意できなくても安心です。ここでは誰でも無料でダウンロード可能な写真素材サイトを紹介いたします。
写真AC
人物、建物、動物、小物など、様々なジャンルの写真が無償でダウンロードできます。機能制限のない便利な有料プランもありますが、会員登録・利用は無料です。
また、日本語で運営されている素材サイトなので、英語が苦手な方でも安心です。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記:不要
Unsplash
世界的に有名な写真素材サイトです。ライセンスは全てCC0(※)。世界中のカメラマン達が撮影した高品質の写真素材を、自由に使用することができます。
英語で運営されている海外のサイトのため、英単語で検索する必要があります。
CC0(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)とは、「クリエイティブ・コモンズ」というアメリカの非営利団体が提供する、著作権に関する意思表示の国際的なルールです。
https://hataraku.vivivit.com/column/cclicense
制作者は著作物にCCライセンスの目印を表示することで、自身の著作権を放棄することなくWeb上に作品を流通させることができます。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記:不要
Pixabay
こちらも海外で有名なクリエイティブコミュニティです。著作権フリーの高品質な素材が1,900万点以上も掲載されています。ユーザー登録の必要はなく、自由に検索・ダウンロードすることが可能です。
海外のコミュニティですが、日本語に対応しているので安心です。
商用利用:可(同人誌や各種印刷物なども可)
著作権表記:不要
無料で使える画像編集ツール
フォントと写真を用意したら、いよいよ画像編集ツールの準備です。
プロのデザイナーが装丁デザインに利用するソフトは、ほぼ間違いなく「Adobe Illustlator」。しかしAdobe Illustlatorは単体プランでも税込で年額30,000円ほどの価格。それだけ素晴らしい性能を誇るのは間違いありませんが、仕事で使うならまだしも個人で使うためにこの値段はかなり厳しいはず。
しかし、表紙に文字入れをするくらいの加工であれば、無料の画像編集ツールでも十分可能です!以下におすすめのフリーソフトをまとめていきます。
Photoshop Express Editor
あのAdobe社が提供する、いわば「オンライン版Photoshop」のようなツール。
通常のPhotoshopが最低でも月額980円〜なのに対して、こちらは無料で使用できます。しかもPhotoshop Express Editorはブラウザ上での使用が可能で、インストールの必要がありません。
もちろん、通常のPhotoshopよりも機能は制限されています。画像の出力形式はJPEGのみ、読み込める画像ファイル形式も「JPEG」「PSD」「RAW」のみとなっていますのでご注意ください。
GIMP
1996年のリリースから、今現在も多くのファンを持つ高性能フリーソフトです。
オープンソースで開発されているフリーの画像処理ソフトですが、高価な有償ソフトにも引けをとらないほど内容が充実しています。機能が多く、GIMPだけでほとんどの画像編集が可能です。
レイヤー機能やマスク機能、豊富なブラシもあり、フォトレタッチだけでなく着彩などに対しても強みがあります。
「少しならお金を掛けられる」という場合は…
ペイントツールSAI
超有名なペイントツール。価格は「税込5,500円」という安さで買い切り、コストパフォーマンスが良いです。これを使ってイラストを制作しているイラストレーターさんもかなり多いです。
標準では文字入れの機能がありませんが、「SAI_FON」というツールを同時に使うことで簡単に文字を入れられます。
CLIP STUDIO PAINT
イラストSNS「pixiv」で、2019年の投稿作品の使用数1位を獲得したペイントツール。価格は「Windows / macOS版」なら5,000円。
イラストツールに不慣れな方は使いこなすのに時間が掛かるかもしれませんが、ツール内で文字入れも可能なので便利です。
まとめ
以上、無料で小説表紙を作るための第一歩「材料集め」編でした。
次からはデザインについても触れていきたいと思います。