希望した納品日まであと1ヶ月ですが、今ってどこまで出来てるんですか?
お見せできるデータはまだありません。
納品2週間前から着手いたします。
( え…それで間に合うの?手抜きにならない? )
デザインを依頼したとき、思ったよりも着手が遅くて困惑したことがあるかもしれません。
この記事では、デザインの着手から完成までの「よくイメージされるスケジュール」と「実際のスケジュール」の違いについてご紹介いたします。
この記事はあくまで「Inky Designの通常プランの場合」を前提とした記事となります。スケジュールの組み方にはプラン差・個人差がありますので、予めご了承ください。
デザインの制作工程
デザイン制作には、長く時間が掛かると思われがちです。厳密に言えばその認識は正しく、「何かをデザインする」のには時間が掛かります。
しかし、デザインの作業の中で大半を占めるのは「アイデアを出す」ところであり、実作業の部分ではありません。
イラストレーターとの比較
よく同一視される「イラストレーター」と比べて考えてみると、意外にも大きな違いがあります。
構図、レイアウト、配色などを考えるところまでは同じですが、そこからの作業工程が異なります。
イラスト | デザイン |
---|---|
ラフ | ラフ |
下書き | |
ペン入れ | |
下塗り | |
本塗り | データ化 |
影入れ | |
加工 | 加工 |
デザインのデータ化にはそれほど時間がかからない
デザインは主に Adobe Illustratorでデータ化します。
ベクターデータなので一度配置したものでも後から自由に編集でき、少しずつ段階を踏んで制作していく必要がありません。
この作業には「下書き」「ペン入れ」などの概念が無く、いきなり本番用のオブジェクトを配置して加工していきます。
デザイン制作で最も時間が掛かるのが「デザインを練る」工程です。
作りたいデザインさえ決まっていれば、そしてデザインソフトでの作業に慣れていれば、白紙の状態から完成データを仕上げるまで数時間で出来てしまいます。
イラストのように「インクが乾かないと次の色を塗れない」「線画を完成させるだけでも下書き・ペン入れをしないといけない」などの「どうしても掛かってしまう時間」がほとんどありません。
予約のタイミングは無関係
早く予約すれば、早めに着手してもらえますか?
大変恐れ入りますが、「予約のタイミング」と「着手のタイミング」は基本的には無関係です。
予約は「納品までの2週間」の確保
制作期間は約2週間であることは、上でご説明しました。
つまりご依頼の予約とは「納品日までの2週間」を事前に確保するものとなっています。
ご予約・着手の仕組み
たとえば、「1日」に予約のメールを入れ、「31日」の納品で依頼を確定したとします。
この場合、下記のスケジュールは誤りです。
このように「予約確定時点」から「納品希望日」までの期間で制作を進めるわけではございません。
正しくは、「予約確定時点」で「納品ご希望日までの2週間」を事前に確保するものです。
デザインを練る時間は別
いくらデザインソフトでの作業に時間が掛からなくても、デザインを練るのには時間が掛かります。
そのためデザインソフトでの作業が数時間で終わるからといって、依頼を受けてから数時間で納品することはできません。
いつデザインを練っているの?
冒頭でのこの会話について、
希望した納品日まであと1ヶ月ですが、今ってどこまで出来てるんですか?
お見せできるデータはまだありません。
納品2週間前から着手いたします。
それではこの「1ヶ月前」の時点で、デザイナーは何をやっているのか?
その答えは、「別のクライアント様のデザインの実作業をしながら、頭の中ではそれ以外のデザインを練っている」というものになります。
今週納品のデザインをデータ化しながら、来週納品のデザインで使う素材を手配し、再来週納品のデザイン、そういったサイクルを繰り返しております。
まとめ
今回の記事をまとめると、このようになります。
- デザインの実作業は早いので、2週間でも手抜きではございません。
- 実作業が始まるまでの間は頭の中でデザインを考えているため、実作業に入るまでは進捗をお見せすることができません。
- 2週間でデザインが完成するとはいえ、その2週間はもっと前から予約が埋まるため、「納品希望日の2週間前に新規予約できる」わけではございません。
だから1ヶ月前だと「デザインを練り始めてはいますが、まだ頭の中で下書きの状態なので、お見せできるものがありません」という答えになります!