同人誌の「あとがき」。
何か気の利いたことを書きたいけれど、原稿については本文ですべて出し切ってしまった。制作中の話を書こうとしても、締切が大変だった話しか思いつかない。
結論から言うと、「あとがき」は無くてもOKです。あくまで好みで入れるものなので、無理に書く必要はありません。
何か書くにしても長い文章を用意する必要は無く、読者へのお礼+本について一言だけでも十分に成立します。
- 同人誌のあとがきには何を書く?
- あとがきは書かなくても大丈夫?
- 一番簡単なあとがきの書き方
- 短いあとがきの例文
- 同人誌のあとがき例文|二次創作の場合
- 小説同人誌のあとがき例文
- 漫画同人誌のあとがき例文
- 同人誌の制作事例を見る
- 「あとがきに書くことがない」ときは何を書けばいい?
- 原稿が大変だった話しか思いつかない
- 「こんな本ですみません」は書かない方がいい?
- あとがきに制作秘話を書く場合
- あとがきに感想フォームやSNSを載せてもいい?
- あとがきに次回作の予定を書く
- あとがきの文字数はどのくらい?
- あとがきと奥付を同じページにしてもいい?
- 前書きとあとがきの内容が被ってしまう場合
- あとがきを少しおしゃれに見せるコツ
- 「あとがき」という見出しは必要?
- 迷ったら「ありがとう+一言」で終わっていい
- 同人誌の本文・奥付・扉までまとめて整えたい場合
- 同人誌の制作事例を見る
同人誌のあとがきには何を書く?
あとがきに決まった形式はありません。
迷ったときは、次の中から書きやすいものを選べば形になります。
| 書く内容 | 具体例 |
|---|---|
| 読んでくれたお礼 | 最後まで読んでくださりありがとうございました |
| 本を作ったきっかけ | ○○な二人を描きたくて作りました |
| 特に描きたかった場面 | 後半の○○の場面から考え始めた話です |
| 制作中の話 | 当初は短編の予定でした |
| キャラクターへの思い | この二人の日常をもっと見たくて描きました |
| 読者へのメッセージ | 少しでも楽しんでいただけたらうれしいです |
| 次回作について | 次は○○な話も描いてみたいです |
| 感想の案内 | SNSや感想フォームへの案内 |
全部入れる必要はありません。
たとえば「お礼」「作ったきっかけ」「締めの一言」の3つだけでも、自然なあとがきになります。
あとがきは書かなくても大丈夫?
あとがきは必須ではありません。
本文が終わったあとにそのまま奥付を配置して、一冊を終えても問題ありません。
あとがきと奥付は役割が違います。
| あとがき | 作者から読者へ自由に文章を書くページ |
| 奥付 | タイトル・発行日・著者名・サークル名・印刷所・連絡先など、その本についての情報を記載するページ |
あとがきは省略できますが、奥付については印刷所の規定もあるため、別物として考えておきましょう。
一番簡単なあとがきの書き方
何を書けばいいのかまったく思いつかないなら、3つに分けると簡単です。
お礼 → この本について → 締め
たとえば、
- 最後までお読みいただきありがとうございました。
- 二人がのんびり休日を過ごしているところを描きたくて作った本です。
- 少しでも楽しんでいただけていたらうれしいです。
これだけでもあとがきになります。
長い制作秘話も、自分についての詳しい話も必要ありません。
逆に、本文を読み終えた直後なので、数行だけさらっと書かれている方が似合う本もあります。
短いあとがきの例文
ページ数に余裕がない場合や、あとがきをあっさり終わらせたい場合は、2〜3文程度でも構いません。
シンプル
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけていたらうれしいです。またどこかでお会いできますように。
やわらかめ
ここまで読んでくださってありがとうございます!
ずっと描きたかった二人を一冊にできて満足しています。楽しんでもらえていたらうれしいです。
かなり短く
お手に取っていただきありがとうございました!
また次の本でお会いできたらうれしいです。
少し落ち着いた雰囲気
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
この本が少しでも楽しい時間になっていたら幸いです。
短いから失礼、ということはありません。
本全体が静かな雰囲気なら、あとがきまでテンションを上げる必要もありません。作品と作者の普段の空気に合っていれば十分です。
同人誌のあとがき例文|二次創作の場合
二次創作では、「なぜこの本を作ったのか」がそのままあとがきになります。
たとえば、「○○する二人がどうしても見たくて描きました」という一文。
これだけでも、その本を作った人の好きなものが伝わります。
王道
最後までお読みいただきありがとうございました。
○○する二人がどうしても見たくて描き始めた本です。好きな場面をたくさん詰め込めたので、少しでも楽しんでいただけていたらうれしいです。
カップリングへの愛を強めに
最後までありがとうございました!
この二人なら絶対こんな会話をしているだろうな、という妄想から始まった一冊でした。描けば描くほどまだ描きたいものが増えてしまったので、また本になるかもしれません。
原作のある場面から発想した場合
お手に取っていただきありがとうございます。原作の○○を見たときから、その後の二人についてずっと考えていて、今回ようやく本にできました。
自分なりの解釈ではありますが、楽しんでいただけていたらうれしいです。
二次創作のあとがきでは、作品やキャラクターへの気持ちを書きやすい一方、説明しすぎると本文の余韻を上書きしてしまうこともあります。
「このシーンはこういう意味です」と正解をすべて説明するより、制作のきっかけくらいに留めるくらいが丁度よかったりします。
小説同人誌のあとがき例文
小説の場合、本文のテンションからあとがきへ切り替わったときに、急に作者の声が現れます。
だからといって堅くする必要はありませんが、本全体の雰囲気からあまり離れすぎない程度にすると収まりやすくなります。
落ち着いた小説本
最後までお読みいただきありがとうございました。
以前から書きたかった「○○」を中心に、二人の話を一冊にまとめました。
静かな話になりましたが、どこか一場面でも心に残るところがあればうれしいです。
長編小説
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
書き始めた頃にはここまで長い話になると思っていなかったので、一冊の本として完成したことに自分でも少し驚いています。
最後まで読んでくださった方に、心から感謝します。
短編集
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回は、時間や場所の違う二人を少しずつ集めた短編集にしました。
お気に入りの話をひとつでも見つけてもらえていたらうれしいです。
急に作者が出てくる例:
お読み頂きありがとうございます!!!!!
最後のシーンは数年前に私と元彼が実際に行ったやりとりを参考にしました←
漫画同人誌のあとがき例文
漫画本なら、文章だけでなく作者のイラストと一緒にあとがきを載せるのも喜ばれます。
文章量を減らして、描き下ろしの小さなイラストやキャラクターを添えるだけでもページとして成立します。
シンプル
最後まで読んでくださってありがとうございました!
○○な二人をたくさん描けて楽しかったです。また描きたい話ができたら本にしたいと思います。
制作話を少し入れる
最後までありがとうございました。
最初は20ページくらいの予定だったのですが、描きたい場面を入れていったらいつの間にかこのページ数になっていました。最後の○○を描けたので満足です!
イラスト中心にする場合
文章は、「ありがとうございました!」だけでも構いません。
その代わり、キャラクターの描き下ろしや制作中の小ネタを載せると、漫画本らしいあとがきページになります。
「あとがきに書くことがない」ときは何を書けばいい?
書くことがない場合は、無理に制作秘話をひねり出さなくても大丈夫です。
考えやすいのは、原稿ではなく「本を作る前」に戻ることです。
なぜこの話を書こうと思ったのか。
たとえば、
「制服姿の二人を描きたかった」
「付き合ったあとの話が読みたかった」
「原作のあの場面の続きを考えた」
「夏の二人を一冊にしたかった」
この程度で構いません。
あとがきは作品論を書く場所ではありません。
「これが見たかったから作った」という話は、その人がその同人誌を作った理由そのものなので、短くても内容があります。
原稿が大変だった話しか思いつかない
これもよくあるパターンです。
- 締切直前まで描いていた。
- 印刷所の締切に間に合うか焦った。
- 何度もページ数が増えた。
もちろん、それを書いても構いません。
ただ、
「原稿つらかった」
「もう二度と本作りたくない」
「全然納得できてません」
だけで終わると、本を読み終えた人が残念な気持ちになることがあります。
制作の苦労を書くなら、「最後はかなり慌ただしくなりましたが、無事に一冊にできてほっとしています」くらいにすると読みやすくなります。
苦労話そのものが悪いのではなく、その本を手に取った読者がどう読むかまで少し考えておくと、あとがきとして収まりやすくなります。
「こんな本ですみません」は書かない方がいい?
本人にとっては謙遜でも、読者側からすると少し複雑です。
「絵が下手ですみません」
「文章が酷くてすみません」
「時間がなくて適当です」
「面白くないと思いますが」
と書いてあると、その本を気に入った読者まで否定されたように感じることがあります。
自信満々に書く必要はありません。
それでも、完成した本を読者へ渡すページなので、自分の作品を必要以上に下げなくて大丈夫です。
どうしても反省点に触れたいなら、「描ききれなかった部分もあるので、また別の形で続きを描けたらと思っています」くらいに変えると自然です。
あとがきで謝罪ばかりしない
二次創作では、「解釈違いだったらすみません」「捏造だらけですみません」と書きたくなることもあります。
注意が必要な内容であれば、読者が本を読む前に分かる場所へ注意書きを載せた方が役に立ちます。
あとがきまでたどり着いている人は、すでに本文を読み終えています。
最後のページでは謝罪を重ねるより、「最後まで読んでくれてありがとう」で終える方がきれいです。
あとがきに制作秘話を書く場合
制作裏話はあとがきと相性のいい内容です。
ただ、原稿日記を最初から最後まで書く必要はありません。
読者から見て面白くなりやすいのは、
- 最初とは展開が変わった
- 当初は別のキャラクターが登場する予定だった
- この場面から話を考え始めた
- タイトルにこういう意味を込めた
- 表紙と本文でモチーフをつなげた
といった、完成した本を読んだあとだから分かる話です。
「実は最初の案では○○でした」と少しだけ書かれていると、もう一度本文を見返したくなることもあります。
タイトルの由来を書くのもあり
タイトルを考えるのに時間がかかったなら、その話をあとがきに書いても面白くなります。
たとえば、「タイトルの『○○』は、作中に出てくる○○から取りました」という程度でも十分です。
作品の核心に関わる場合は本文を読み終わったあとだからこそ書ける内容でもあります。
あとがきに感想フォームやSNSを載せてもいい?
モチベーションに繋がる人はぜひ載せましょう!
感想を受け取りたい場合は、SNSアカウントや感想フォームへの案内を入れておくと、読者も送り先を探しやすくなります。
ただし、あとがきと奥付の両方に同じ情報を大量に載せる必要はありません。
あとがきでは、「ご感想などいただけたらうれしいです。送り先は奥付に記載しています」として、連絡先自体は奥付へまとめる方法もあります。
QRコードを置く場合も、リンクだけが目立ちすぎないようにすると誌面をまとめやすくなります。
あとがきに次回作の予定を書く
次に描きたい本が決まっているなら、一言書いても構いません。
「次は○○の本を作りたいです」くらいなら、今後も作品を追いたい読者にはうれしい情報です。
発行が確定していないものについて、イベント名や発行日まで断定して書く必要はありません。
同人誌は紙として残るので、数年後に読まれることもあります。
予定が変わりそうなら、「いつか描きたい」程度にしておくのも手です。
あとがきの文字数はどのくらい?
決まりはありません。
数十文字でも、1ページいっぱいでも構いません。
「せっかく1ページあるから全部埋めなければ」と考える必要もありません。
余白が残ったなら、余白としてデザインできます。
文字量より、書きたい内容に合わせてページを使う方が自然です。
たとえばA5やB5の漫画本で数行だけなら、ページ中央へ小さく置いたり、イラストと組み合わせたりできます。
文庫本なら文章量を少し増やして、本の最後に読み物として配置するのも似合います。
あとがきが短いとページが寂しくならない?
これは文章ではなくデザインで解決できます。文章を無理に増やす必要はありません。
たとえば、
- 小さなカットを入れる
- 本文で使ったモチーフを置く
- タイトルを小さく再掲する
- ページ番号や装飾を使う
- 余白をそのまま生かす
といった方法があります。
同人誌では「紙面が空いている=失敗」ではありません。
2〜3行しかないあとがきをページの中央へぽつんと置くデザインも、本の雰囲気によってはきれいに見えます。
文章を追加する前に、レイアウトで成立しないか考えてみるのがおすすめです。
あとがきと奥付を同じページにしてもいい?
ページ数を抑えたい場合は、あとがきと奥付を同じページにまとめる方法もあります。
たとえば上半分をあとがき、下部を奥付にします。
この場合は、あとがきと奥付の境目が分かるよう、文字サイズや余白を変えると読みやすくなります。
ページ数が少ないコピー本や漫画本なら特に使いやすい構成です。
逆に、小説本などであとがきを長めに書きたい場合は、あとがきと奥付を別ページに分けた方が整理しやすくなります。
前書きとあとがきの内容が被ってしまう場合
前書きでは、これから読む人が必要とする情報を優先します。
たとえば、「○○後の話です」「○○の設定があります」といった内容です。
あとがきは読み終わった人へ向けて、「なぜこの話を書いたのか」「読んでくれたことへのお礼」を書くと、役割を分けやすくなります。
同じ内容を前後で繰り返す必要はありません。
あとがきを少しおしゃれに見せるコツ
あとがきページは、本文ほど厳密なレイアウトにしなくても自由に遊べます。
ただし、装飾を増やしすぎるより、本全体と共通する要素をひとつ持ってくる方がまとまりやすくなります。
表紙に花を使っているなら、小さな花のモチーフをひとつ。
表紙がモノクロなら、あとがきも色を増やさずモノクロ。
本文の章タイトルに使った書体があるなら、あとがきの見出しにも使う。
別のページとして新しくデザインするより、本の中ですでに使っているデザインを少しだけ繰り返すと一冊としてつながります。
「あとがき」という見出しは必要?
なくても構いません。
「あとがき」「Thank you」「おわりに」などを入れてもいいですし、何も入れず文章から始めても大丈夫です。
漫画なら作者の名前や小さなイラストだけ置くこともできます。
本全体が和文中心なのに、あとがきだけ無理に英語へする必要もありません。
見出しもデザインの一部として選びます。
迷ったら「ありがとう+一言」で終わっていい
あとがきは、面白いことを書かなければならないページではありません。
本編ですでに伝えたいものを描き終えているなら、それでいいと思います。
大前提として、書かなくてもOKです。
そして、書くとしても一言だけで十分です。
たとえば、「最後まで読んでくださり、ありがとうございました。楽しんでいただけていたらうれしいです。」でもちゃんとあとがきです。
無理に一ページを文章で埋めるより、自分の本らしい言葉で気持ちよく終わらせる方が、読む側にとっても自然です。
同人誌の本文・奥付・扉までまとめて整えたい場合
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